〜発明と特許〜
一番初めにアイデアを形にしたのは小学2年生くらいだったと思います。ロボットのプラモデルを少し改造しただけなのですが、考え付いたとき居ても立ってもいられなくなりすぐに家を飛び出し改造用の材料を探しに行きました。近所の小さい電気屋で麦球(麦の形をした小さな電球)を買ってきて目の部分に埋め込み、目の枠に薄い黄色のフィルムを施した後、単3電池をつないで暗闇で目が光るように改良しました。当時近所で売っているロボットのプラモデルで目が光るものは無く、自分で考えて作ったことを話すと周りの友達はみんな驚いて珍しがっていました。
しかし喜びもつかの間、後日雑貨系の雑誌を読んでいると麦球のアイデアが掲載されていたのです。先日改造プラモデルを見せた友達がこの雑誌を見たらどうしようと思いつつ、「自分の方が先なのに」と悔しい思いをしました。とはいえ、当時でもおそらくこの程度の改造はすでに誰かが形にしていただろうし、間違いなく自分は後発でしょう。ただ、このときなんとなく「先に考えたことを証明できる権利みたいなものがあれば」的なことを考えていたような気がします。
私はアイデアが浮かんだらすぐノートに書くようにしていますが、中途半端なまま終わっているものも多いです。中には非常に画期的で特許の条件(新規性及び進歩性があり、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの)を全て満たしている可能性が高い発明品もあるのでもったいないとは思っているのですが、2兎を追うものは1兎も得ずで、個人であまり複数出願しすぎてしまうと、審査請求まで見据えるのならどれもが中途半端になってしまうおそれがあります。例外もありますが、通常特許査定をもらうのは簡単ではなく時間もかかり、出願費用だけでも15,000円、特許査定をもらうための審査請求は168,600円 +(請求項の数× 4,000円)が必要です。特許を取得した後も権利を維持するために特許料を支払わなければなりません。しかしながら、発明が特許の条件を満たし、ある程度仕組みがはっきりして商品化と流通のイメージがあるのであれば、やはりすぐにでも出願したほうがいいと思います。私も自分がやれる範囲で知的財産権とは向き合っていきたいと考えています。
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